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将来を見据えて月極駐車場内にEV充電器を設置、アキッパ専用車室として貸し出し【EVシェアオーナーインタビュー】

こんにちは、アキッパ広報の石川です。

今回は、EV充電器を設置している駐車場をアキッパにて予約貸し出しされている片山産業株式会社 代表の片山さまにお話を伺いました。

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貸し出し中のEV充電できる駐車場

【akippa予約で おそとEV充電(有料)】THE WHITE HOUSE GOFUKU(片山産業株式会社)
https://www.akippa.com/parking/a63dc97e35e805358e95b7fdfa9a6156
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石川

本日はよろしくお願いいたします。
はじめに、御社の事業内容と駐車場運営の状況について教えてください。

弊社は今年で創業101年目になる富山県地場の中小企業です。植林や木材の生産販売等を行う製材業を起源とし、時代の変化に合わせて建設業や不動産管理業、投資事業へとビジネスの形を変えて今日に至ります。

私自身の話をさせていただくと、元々総合商社やメガバンク、メガベンチャーで主に海外での新規事業開発業務に携わっていました。海外駐在経験も通算で10年ほどになります。2020年に突如発生したコロナ禍により、働き方も変わり、家族とともに過ごす時間も増えるなか、海外拠点長として赴任のお話もいただきましたが、心機一転家業を継ぐ決断をし、自然豊かな富山に戻ることにしました。

事業承継後の当社では、GX(太陽光発電等の再生可能エネルギー)とDX(デジタル技術を活用したシェアリングビジネス)の一体推進に取り組んでいます。GXとDXを一体的に推進することで、当社の事業や保有資産をコロナ耐性の高いものへと入れ替え、環境負荷の低減、資産の有効活用、生産性の向上を図ることを目指して取り組んでいます。

ここから駐車場運営の話に移りますが、当社は富山大学五福キャンパスのすぐ近くに170台規模の月極駐車場を保有しており、そこをGXとDXの一体推進の場としてモビリティハブへの転換を進めています。具体的には、駐車場利用者や近隣にお住いの方に対して新しい二次交通の選択肢を提供して地域の交通利便性向上を図ることを目標にしています。

片山
さま

電動自転車のシェアサイクル、駐車場のシェア、EV充電器のシェアを導入していて、4月からはカーシェアも始めました。こうした移動に関わるシェアリングサービスの利用拠点の集約化を図ることで、駐車場利用者をはじめ地域のみなさまにも、生活が少しずつ便利で快適になったことを感じてもらえると嬉しいです。
また、シェアサイクル用の自転車は駐輪場の屋根に太陽光パネルをつけてカーボンフリーの電気で充電できるようにしており、環境負荷の低減にも貢献します。

片山
さま

石川

すごいですね。詳細なご説明ありがとうございます。
続いてアキッパで駐車場の貸し出しをはじめていただいた経緯を教えてください。

貸し出しを始めたのは2020年9月からになります。
コロナ禍で大学がオンライン授業になり、学生さんも職員の方も定期で通勤通学する機会が減ってしまったのでそれに伴って月極駐車場の解約も増えました。
一方で、近隣には時間貸し駐車場が少なく、短時間の駐停車に困っている方もいて、公道に路上駐車してしまったり、当社駐車場でも不正利用されたりするケースが増えました。当社としても困っていたんです。そのような状況なので、必要なときだけ利用できる時間貸し駐車場ニーズにも対応すべきと考え、アキッパと他のサービスも含めて駐車場シェアをこの地域で初めて導入し、月極スペースの一部を時間貸し駐車場として貸し出すことにしました。

大学が通常モードに戻ると月極の稼働率もコロナ禍前に戻りましたのでシェアできるスペースは減りましたが、現在はEV充電器を設置したスペースをアキッパでの予約制として貸し出しています。
akippaさんはビジョンでEV充電器設置の先には自動運転の車のハブとなる未来を掲げられているかと思いますが、当社も同じ未来像を持っており、ビジョンを共有できるパートナーとして選びました。中長期で共創していきたいですね。

片山
さま

石川

ここからEV充電器について伺えればと思います。
なぜEV充電器を設置しようと考えられたのでしょうか?

先ほどの話と重複しますが、GXとDXの一体推進による未来創造、地球・地域課題の解決のためです。 来るべきEV時代に備え、将来を見据えての先行投資になります。
アキッパ経由ではなく自社所有のEV充電器を設置した駐車スペースを、アキッパ予約者専用で使えるようにしています。

県内ではEV利用者はまだほとんどいない状態ではありますが、同時に充電スポットも少ない状況です。特に学生さんが住む集合住宅ではEV充電設備がないケースがほとんどです。そういった学生さんや地域住民の方にEVを所有した際に使ってもらえればと思い設置を進めています。
現在は3.2kwの普通充電器4基4区画に対応していますが、将来的には、駐車場全区画の1割程度はEVの基礎充電ができるようにしていく計画です。電動シェアサイクルの充電同様に、こちらも再生可能エネルギーを積極的に活用していきたいと考えています。

EV充電器の設置に際しては、充電器本体もさることながら、施工費の負担が大きくなると思います。そこを国の補助金で賄うことができたのは非常にありがたかったです。
しかしながら補助金の申請は想定外のことばかりで本当に大変でした。信頼できノウハウのある事業者と協働することをおすすめします。

片山
さま

石川

そんなに大変だったのですね。
アキッパで貸し出していただいているスペースのご利用状況はいかがですか?

富山県内でのアキッパの認知度の問題もあると思いますが、予約は月10件程度で稼働率については改善の余地がまだあります。EV充電する利用者もほとんどいませんが、充電設備の稼働率を追うのはまだ先の話だと考えています。
ガソリン車のドライバーが駐車して、EV充電器がどのようなものなのかを見てもらうだけでも、地域のフロントランナーとして取り組む価値があるのではないかと思っています。

片山
さま

石川

確かに、街中でEV充電器があるスペースにガソリン車で停める機会は少ないですからいい機会になりそうですね。
最後に、今後の展開についてお聞かせください。

当社では駐車場マルシェとして移動販売の取り組みも行っています。ここ2、3年は毎週コーヒーの移動販売車が来てくれるようになって、学生さんたちのサードプレイスになっています。続けているうちに世代を問わず自然といろいろなコミュニティができて売上もついてきているようです。
こういった生活サービスと連携して、コミュニティの希薄化といった地域や社会の課題を解消していけるような取り組みを、アキッパさんともご一緒できればいいですね。

片山
さま

石川

素敵ですね!貴重なお話をありがとうございました!

将来を見据え、再生エネルギーを活用したモビリティハブへ投資。
そしてそこに人が集まり、コミュニティが生まれる。

今回、EV充電器の設置および貸し出しをきっかけにお話を伺いましたが、とても壮大なビジョンで夢があり、聞いていてとてもワクワクする、そんな時間でした。

片山さま、ありがとうございました!

石川 絢子

広報

慶應義塾大学卒業後、インターネット広告代理店、グリーを経て2018年4月にakippaへ入社。グリー時代は新規事業立ち上げや管理系業務、広報など幅広く担当したが、現在akippaでは広報マネージャーを担当。
趣味は旅行で年間3回海外に行くことを目標にしている。