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設立10周年を迎えるakippaが気づいた、「バリューの成長が組織を強くする」ということ

Value

こんにちは、駐車場予約アプリ「akippa(あきっぱ)」広報の石川です。
この記事を開いていただきありがとうございます。

akippaでは、
ミッション:普遍的に追求する姿
ビジョン :ミッションを実現するために、中長期的に目指す姿
バリュー :ミッション、ビジョンを実現するために体現すべき価値観
を定めています。

昨年2018年11月には、リブランディングの一環としてミッションの説明文の追加と、ビジョンの設定を行いました

バリューは以前から定めていましたが、2019年から新たなものに変更されることになりました。今回、その総指揮者であり2019年2月よりCHRO(Chief Human Resource Officer)に就任する取締役の松井に、新しいバリューについてインタビューしました。

バリューは会社のフェーズに合わせて変えていく

石川

今日はどうぞよろしくお願いします。
昨年2018年に3つのバリューを制定し、年末には新しいバリューを発表されました。なぜこのタイミングで変更されたのでしょうか?

端的に言うと、バリューと現実とのギャップを感じたからです。
akippaでは、バリュー、つまり行動指針は会社や事業のフェーズによって変えていくべきだと考えているのですが、制定した当初に想像していたレベル感まで会社がまだ成長していないなと、違和感を感じていました。

【akippaの軌跡】のインタビューでも話したのですが、2013年にクレドを作って、その時に「7つのエスプリ」という社員が日頃から意識すべき価値観を定めました。これはブレストから作り上げたもので、クレドに書いて持ち歩けるようにもしていたので、ある程度浸透していると感じていました。

しかし、7つは多くて覚えられない、英語表記にしてgroove感を出していきたい等の理由から変更することにしました。それで決まったのが「Always Beyond」「For Someone」「Win by Team」の3つです。
常に意識できるよう社内会議室の名前にしたり、四半期に一度投票するMVPの選定基準にもしたりしていたのですが、思うように浸透しないというか、人によって捉え方が違うように感じました。結局、会議室の名前、MVPの名前と言った感じで固有名詞的な使われ方になってしまってたんですよね(笑)。

松井

石川

なるほど・・(笑)

既存の3つのバリュー
「Always Beyond」「For Someone」「Win by Team」

それで理由を考えてみると、フェーズが違うのかな、と。
企業のフェーズは、「創業期 → 成長期 → 拡大期 → 安定期」の4つに分けられると考えているのですが、akippaはまだ成長期の初期段階なのに、成長期後半から拡大期くらいのレベル感の言葉を定義していたんだな、と。
ちょうどCHROとして組織を担当させていただくタイミングだったこともあり、市場特性とゴール(このフェーズで目指す姿)から逆算して決めようと考えました。

松井

創業期、成長期、拡大期、安定期。
そのフェーズにより行動指針であるバリューは変化する

石川

目指すべきゴールとのことですが、どのように決めていかれたのですか?

リブランディングの時に、コンサルで入っていただいていたワヴデザインさんに概念の作り方を教えてもらっていたので、それを元に今回はほとんど社内で作りました。最後にワヴデザインさんにチェックしてもらったくらいなので9割以上社内ですね。
リブランディングを担当していた藤野と人事担当の桜李と私の3人で課題を洗い出し、一方でマネジメントでビジネスゴールを設定しました。バリューというのは、何か判断に迷った時に立ち返る基本的な考え方なので、経営上とても大事な概念なんです。
なので、現状の課題とゴールの2つを擦り合わせていき、約1ヶ月半で作りました。

松井

石川

内製だったんですね。社内にいるからこそわかる要素がたくさん盛り込まれていそうです。

はやさ、チーム、コミット

石川

新しいバリューに込める想いを簡単に教えてもらえますか?

今回定めたのは、以下の3つです。

Think and Rush
最短を考え、最速で走ろう

Done with Pride
使命感と責任感を持って、最後までやりきろう

Win by Team
チームで最高のパフォーマンスをしよう

akippaらしさがあり、きちんと運用されたら全員がオールAの評価になるような言葉
を意識しています。「はやさ」「チーム」「コミット」の3点を、英語表記にしてgroove感をだしました。「Win by Team」だけはこれまでもあったのですが、「Think and Rush」「Done with Pride」は新たに作ったものです。 これらのワードが日常会話にも出てくるようにしていきたいですね。

松井

全員が共通で持つべき素質「エッセンシャルバリュー」

石川

バリューの他に「エッセンシャルバリュー」が設定されました。あまり聞かない言葉ですが、どういったものなのですか?

「エッセンシャルバリュー」は、皆が共通して素質として持っているバリューです。組織としてすでに体現できていて、でも忘れてはいけないエッセンスですね。
「akippaはいい人が多い」と社内からも社外からも言われることが多いのですが、その「いい人が多い」というのがとても大事な要素だと思っていて、それを一言に表した言葉が「ホスピタリティ」でした。

松井

石川

なるほど!既に持っている本質的な価値がエッセンシャルバリューなんですね!

バリューとエッセンシャルバリューの相関イメージ

バリューの成長が組織を強くする

石川

ということは、組織の本質になっているエッセンシャルバリューは増えるのでしょうか?

はい、その可能性はあります。
個人でできる仕事は限られていて、チーム・組織だからこそいろいろなことが実現できます。会社組織は“汎用性の高いコミュニティ”であるべきだと考えていて、それを実現するために組織を強くする必要があると思うのですが、バリューの成長は組織を強くすると考えています。

これまで会社の成長に合わせて採用をしてきていて、今のakippaには新卒社員、中途社員、アルバイトから社員になった人などさまざまなバックグラウンドの人が集まっています。
特に創業期から成長期に移行するタイミングで多くの中途社員に入社してもらいましたが、その時に採用基準としていたのが“自分たちより優秀だと感じる人”でした(詳細は【akippaの軌跡】Vol.7以降に記載)。そういう基準で採用したので皆、仕事はできます。でも仕事の出来不出来だけでいったら、新しい人ほど評価されることになってしまう。しかし実際はそうではないし、古くからいるメンバーが持っている強みもあります。仕事面だけで評価してしまったらお互いの信頼感は生まれず組織としては永続的には続かないだろうなと思っていました。

それで創業期を振り返ると、困難な時期がいくつもあったのですが、それをなぜ乗り越えられたかを考えると、ビジネススキルではなく圧倒的な“思いやり”だったんです。
この会社をもっとよくしたいとか、世の中の役に立つサービスを作りたいとか、相手目線に立って考えることができたから実現できたのだろうと思いました。ホスピタリティがない組織だったらきっと、困りごと200個書き出すことはできなかったと思います(笑)。
当時は意識していなかったですが、これが会社としての原体験なので、強みとして認識しておくためにも今回新たに設定しました。

松井

バリューは変わりエッセンシャルバリューは増えていく

石川

たしかに!
個々人がバリューを体現するとそれはその人の素質になり不変になる。組織としても、その素質を持った人が多くなるとより強い組織ができますね。

ホスピタリティというのは、空気を読むこととも違って、相手に対する思いやりとか愛情だと思っています。例えば、最後に残った1個の唐揚げを食べてあげることも優しさだと思うんです。ただただ遠慮することがホスピタリティではなく、相手のことを思いやって行動すること、それがホスピタリティだと考えています。だからホスピタリティに正解はないんですよね。

松井

バリューの体現を相互評価する仕組み

石川

新たなバリューですが、浸透させていくための施策などあれば教えてください。

わかりやすいのは社内の至る所に掲示しています。
例えばオフィスや会議室の出入り口。毎日何度も通るので意識せずとも見るような場所に貼りました。

松井

その他、バリューを体現してくれている人はきちんと評価するべきだと考えていて、ピアボーナスの制度を導入予定です。ピアボーナスとは、最近注目されている新しい報酬の仕組みなのですが、社員同士で相手の評価できる行動に対しポイントを送りあい、もらったポイントは成果給として社員に還元します。この人のこの行動よかったなと思ったら1ポイント、みたいな感じで上司・部下、部署など関係なく評価できます。これで定量的な評価指標だけでは気づきにくい行動に対しても評価ができるようになる予定です。

松井

石川

バリューを体現すると評価してもらえる、モチベーションにも繋がりますね!

この想いを大切に、想いを連鎖させていきたい

石川

最後に、CHROとしてメッセージをお願いします。

世の中にたくさんある、言葉やフレーズの中から我々らしさという意味で“ホスピタリティ”を選びました。
語源や起源を確認し、時代や場所によって、言葉の使われ方は様々でしたが、直感として一番しっくりきたし、ものにする自信があったので採用しました。なぜなら、創業してからおこなってきた事業づくりや組織づくり、企業として生み出してきたものを振り返ると、そこにはいつも中心に「人」があり、『相手の視点に立ちその人が笑顔になるためには何が必要なのか。』『その為に自分はどうあるべきなのか。』という概念がありました。
心配り・一期一会・歓待。
たくさんの素敵な言葉が頭をよぎりますが、まずは自分達が接する近しい人や組織に対して「違うところをリスペクトして同じところを大切にする。」をキーワードに、強くて安心感のあるチームを皆で一緒に作っていきたいと思います。

松井

石川

ありがとうございました!

以上、偶然にも今日バリューカラーの靴を履いていた石川がお届けしました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!

松井 建吾

取締役 CZO

1986年生まれ。大手通信キャリアの業務委託企業にて営業を経験し、2010年4月にakippaへ入社。2012年より取締役となり、akippa事業の新規創出や、各事業チーム・HRの立ち上げを歴任。現在はChief ZeroIchi Officerとして新規事業の立ち上げを担う。 事業・チーム・支社など何でも立上げる事を行う「ゼロイチ屋」。趣味は妄想。メタの上のメタを考えて大体いつも頭がぐるぐるになっている。

石川 絢子

広報

慶應義塾大学卒業後、インターネット広告代理店、グリーを経て2018年4月にakippaへ入社。グリー時代は新規事業立ち上げや管理系業務、広報など幅広く担当したが、現在akippaでは広報マネージャーを担当。
趣味は旅行で年間3回海外に行くことを目標にしている。