PICK UP

akippaのビジョンと経営戦略の見直しには「人と人、人と体験の“あいたい”をつなぎたい」という原点の思いがあった


こんにちは!広報の東野です!

先日akippaではビジョンと経営戦略が見直され、新たにビジョンを「あなたの“あいたい”をつなぐ」に、経営戦略を「困りごと解決&市場再定義戦略」と設定されました。

今回、どのような思いがあり見直しがなされたのか、弊社代表である金谷にインタビューしてみました!

東野

それではよろしくお願いします。
まず初めに、 ビジョン・経営戦略の見直しに踏み切った理由を教えてください。

2018年に経営陣のなかで担当領域をわけ、2019年から経営と執行を分離していきました。僕もずっと広報や事業などの「執行」部分をみていましたが、執行から離れ経営に入るようになりました。
経営に専念できるようになったことで、主な仕事が各役員から報告を得てチェックするような形になったことに加え、ミッションやビジョンなど、会社のあるべき姿についてじっくり考える時間が増えたことが、今回のビジョンの見直しに繋がったきっかけですね。

金谷

東野

ミッション・ビジョン・経営戦略は、具体的にどのような流れで考えられたのですか?

ミッション・ビジョンの実現には経営戦略が大事になってきます。それぞれを制定するにあたり、まずミッションが達成できた状態と、その定量的な指標を考えました。

金谷

akippa株式会社では、ミッションは普遍的に変わらないものとして「“なくてはならぬ”をつくる」としています。
弊社が多くの人にとって“なくてはならぬ”企業になっている状態を定量的に表すのは難しかったですが、わかりやすさでいうと『時価総額世界一』と考えました。

金谷

ビジョンはミッションを実現するための中長期的な打ち手であると考えています。
これまでビジョンを「困りごとを解決する」としていましたが、長期的すぎないかと思っている部分がありました。
そこで、どの領域で”なくてはならぬ”をつくるのかを考えました。そこでまずは「人と人、人と体験が会う」手助けをしたいと思い、まずは2030年までの”なくてはならぬ”企業への第一歩の実現として、「あなたの”あいたい”をつなぐ」をビジョンにしました。

金谷

東野

なるほど!領域を絞ることで、ビジョンに中長期的な打ち手としての機能を持たせた、ということなのですね、、、
そこからどのように経営戦略に繋がったのでしょうか?

皆、ミッションに結構共感してくれているものの、日々の業務がそこにどう結びついているのか明確にするのがすごく難しいんですね。
日々現場は、計画や戦術の中で動いていますが、ビジョンと戦術の間にすごく距離があります。
それを埋めるのが経営戦略なので、社員のみんなが全力で事業に臨むためにも、この経営戦略をもっと明確にしていかなければいけないと感じました。

金谷


東野

ありがとうございます!
これらの見直しは、金谷さんひとりでやられたのですか?

外部の方も含め一部は手伝っていただきました。

金谷

東野

役員の方々には先に話されていたかと思いますが、印象はいかがでしたか?

ビジョンを考え直したいということはずっと言い続けていたし、考えていることは頻繁に共有していたので特に異議はありませんでしたね。

金谷

東野

役員の皆さん全員、納得感は高かったのですね。
「経営戦略」について、金谷さんや経営陣の中ではこれまでも共通認識があったかもしれないのですが、個人的には今までのakippaには言葉としてはなかった概念だと思っています。
今回改めて発表された「経営戦略」について金谷さんの思いがあれば教えてください。

そうですね。
経営戦略を定めていくにあたって、まず分析が一番大事だと感じそこから取り組みました。

金谷

ビジョンにつながる「人と人、人と体験が会う」ということを具体的に分析してみると、人が会うまでに使うサービスは、大手のサービスであふれているんですね。
ただ、実はこれらの各サービスの間にある「スキマ」を埋めるようなサービスは市場としてまだ空いているんです。akippaは「キャッシュレスで駐車場を予約できる」という点で、サーチとモビリティ、モビリティとファイナンスのサービスのスキマを埋めていると言えます。それと同時にそれらのサービスをプラットフォーム上でつなぐことが可能だと考えています。

金谷

何故こういった「スキマ」部分が空いているかというと、収益性と需要の規模をマトリクスにしたときに、大手は『収益性が低い』ところはやらないためです。
akippaが今やっているのは、『収益性が低くて需要が大きい』部分。ここは大手プレイヤーが手を出してこないので、あえてこの領域で事業を展開し、ネットと人の力でブルーオーシャンに変えて市場を再定義したいと思っています。こういうチャレンジができるのも、小回りのきくベンチャー企業ならではかもしれません。

金谷

akippaという難易度の高いビジネスを成功させることができれば、この事例をさらに他のドメインに横展開できると考えています。
この「市場の再定義」というのが、今後akippaが注力していくべきことなのではないかと考えました。

金谷

東野:

東野

現状を分析してみたところ、大手に対してのakippaの独自性が見えてきたということですね。
「市場の再定義」というのは、具体的にどのようなことを行うのでしょうか?

まずはakippa事業内でノウハウの蓄積とマニュアル化を進めます。
課題の発見・吸い上げから小規模で仮説検証の実証実験を行い、定量的な結果を回収・分析し、うまくいったら成功事例を横展開していく、という一連のサイクルを、akippa事業の内部で高速で回していくのです。

金谷

これまでの営業チームは、数値をみながらメンバーのマネジメントをしていただけの仕組みだったのですが、課題の吸い上げや改善のための仮説検証が行えていなかったため、場当たり的な対応しかできていませんでした。「そもそものやり方を見直す」というプロセスが、業務フローに仕組みとして組み込まれていなかったわけです。
ちょっとした改善をしてみて、ほとんどがうまくいかないかもしれないけれど、うまくいったものを採用し横展開していく、ということをやっていけば、確実に成果は上がっていきます。

金谷

このサイクルを高速でたくさん回して課題解決のノウハウを組織に蓄積すること、また、それらのノウハウを情報システムにしっかりと落とし込めんで、誰が見ても同じようにできるように仕組み化すれば、どんなことでも黒字化が実現できると思います。

金谷

akippaの経営戦略は、「困りごと解決&市場再定義戦略」です。
仮説検証サイクルの仕組みを組織内で整えることで、難易度の高い市場の再定義を成功させる。また、そのノウハウを「困りごと解決」のために多くのドメインで展開していきます。

金谷

東野

「困りごと解決&市場再定義」、、、akippaらしい経営戦略ですね!

akippaは、ミッション達成のためのロードマップとして2022年に売上100億円・時価総額1000億円、2025年には売上1000億円・時価総額は1兆円を目指していますが、今のままの成長率ではとうてい売上1000億円には届きません。

金谷

当たり前にミッションはあるけれど、やはり時間軸的には遠い。
だからこそ、もう少し近い将来に何をどうするか、大きな方針を出さないといけないと思い、ビジョンの見直しと経営戦略の打ち出しを行いました。

金谷

東野

なるほど、、、確かに、より具体的な経営戦略によってミッション・ビジョンと日々の業務の繋がりは見えやすくなると感じます。
経営戦略については、ビジョンからの落とし込みであると同時に、現場の課題感からのボトムアップであるように感じました。

そうですね。経営戦略はビジョンと現場の接続です。

金谷

東野

ボトムアップとトップダウンでいうと、考え方的にはどちらの方が強いのでしょうか?

両方ですね。基本的にはミッション・ビジョンから落としていくものではありますが、現場とビジョンの結びつきが薄いことは気づいていたので、現場の課題ベースでそのギャップを埋めていくという思考もありました。

金谷

東野

新しくビジョンと経営戦略を考えるうえで大事にしていたことはなんですか?

一つの事業で突き抜けて圧勝することも大事だけど、何をしても勝てるというのも大事。
誰がどうやってもうまくいく仕組みを作れる戦略にしたいと思ったんですよね。

金谷

海外では1プロダクトで成長する企業はそこそこ多いですが、そういう経営の仕方は不確実性も高いです。事業を多角化していくことが大事だなと思ったので、ノウハウの蓄積、PDCAサイクルの仕組み化、再現性を意識しました。

金谷

東野

akippaが会社として成長する上で重要なのは、事業の多角化ということでしょうか?

四番打者の事業を作ることは大事だと思います。それはakippaかもしれないし、そうじゃないかもしれない。四番打者を作れると、その事業で出した利益をもとに新たな事業を生み出せるし、会社の買収も行えます。
わかりやすいのが楽天で、楽天市場の利益を他の事業に対して投資することで、事業を展開しています。

金谷

東野

今回のビジョンの見直しと経営戦略の策定に、タイミング的な意図はあったのでしょうか?

特にないですね。
いずれにしろ必要なプロセスではあったと思うので、会社を作ったばかりのときはわからないですが、数年前でもよかった気がします。

金谷

東野

今後ミッション・ビジョンを実現するために考えていることがあれば教えてください。

先ほども話したように、今のakippaの体制ではミッション・ビジョンを実現していくことは難しいです。
そういった意味では、組織戦略がすごく重要だと思っていてます。
目標達成のために足りていない部分を担える人を内部で育成することと、新たに外部から採用してくること。採用と育成の両面で伸ばしていきたいです。

金谷

東野

なるほど!現場の業務改善に注力しつつ、あらたな人材育成・獲得にも動いていくということですね!
それでは、最後に一言お願いいたします。

akippaで2040年に売上10兆円・時価総額100兆円を目指すとして逆算すると、2030年には売上1兆円、2025年には1000億円という過程が必要になります。
数字だけ見るとすごく気の遠くなるような数値ではありますが、逆算で細かく落とし込んでいくとやれそうな数字だなと思っています。
何が何でもその目標を達成したいからこそ、日々の業務がミッション・ビジョンに沿っているかを考えて行動しないといけないと思っています。

金谷

僕たちは、駐車場そのものを提供するのではなく、「”あいたい”をつなぐ」をサービスとして提供しています。
多くの人に、先日公開した動画で表現したような思いが届くと良いと思っています。

金谷


駐車場予約アプリakippa 〜あなたの”会いたい”をつなぐ編〜

東野

本日はありがとうございました!

金谷 元気

代表取締役社長 CEO

1984年、大阪府生まれ。高校卒業後はJリーガーをめざし関西リーグなどでプレー。引退後から2年間は上場企業で営業を経験し、2009年2月に24歳で創業。2011年、株式会社へ組織変更し代表取締役に就任。

東野 和実

広報グループ

大阪大学法学部在学中のインターン生。2019年4月に、サークルの研修で訪れていたベトナムからの帰国翌日にakippaの面接を受け、3日後には入社していた。入社後は広報として、社内報や広報ブログを中心に担当。
得意科目は英語。