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【akippaの軌跡】Vol.9 波乱万丈からの脱却

こんにちは、駐車場予約アプリ「akippa(あきっぱ)」広報の石川です。
この記事を開いていただきありがとうございます!

【akippaの軌跡】と題し、2009年の創業からの波乱万丈な10年間を振り返っているこの企画。何度聞いても濃厚すぎて覚えられない弊社の歴史を、入社約半年の石川が、弊社代表で創業者の金谷と取締役の松井にインタビューを行い、複数回に渡りakippaの軌跡を振り返ります。全10回完結を目指しています。

Vol.9では、普段インタビューで語られることの少ない2017年を振り返ります。

過去記事はこちらから
Vol.1 サッカー漬けの毎日から商売の道へ
Vol.2 社員3名から20名へ。創業2年目で急拡大させた理由
Vol.3 大阪と東京、2拠点での創業初期の組織づくり
Vol.4 テレアポでVCから資金調達 創業4年目でたどり着いた会社経営の考え方
Vol.5 “なくてはならぬ”をつくる
Vol.6 “ITの初心者たち”が作り始めたシェアサービス
Vol.7 “IT企業”への転身
Vol.8 事業の成長、組織の拡大

まずは大阪で勝ちパターンを作る

石川

前回、出版事業分社化の話を伺いました。分社化以降はより一層akippaに注力されたかと思いますが、2017年には累計拠点数が10,000を超えましたよね!どのように開拓を進められたのでしょうか?

2016年からやっていた、“ドミナント戦略”が軸にあります。

松井

石川

ドミナント戦略とは・・?

グロービスさんからのアドバイスで、駐車場を獲得したいエリアに一極集中して開拓をしまくる戦略です。Uberと同じ戦略ですね。当時、全国のスタジアム周りを順番に開拓していっていたのですが、手を広げるのではなく、逆に攻めるエリアを集中させました。例えば大阪だったら環状線の中だけ、といった感じで。フィールドセールスのメンバーは2〜3か月は燃え尽きるほど営業したと思います。僕自身はその時まだ採用をメインでしたが(笑)

松井

まずは大阪で勝ちパターンを作って、それを他の都市に展開していこうと考えたんです。

金谷

それまで個人宅や月極しか開拓していなかったのですが、コインパーキングやマンション付帯の駐車場も開拓するようになりました。空いている場所はたくさんありますし、akippaとしてもスケールできますからね。

松井

石川

今では8割以上が法人の駐車場の貸し出しですしね、この頃に基盤が作られたわけですね。

そうです。それで勝ちパターンを他のエリアにも展開していって、全国に駐車場が増えていきました。一方で、エリア集中のドミナントということで、駐車場の開拓だけでなくユーザーとしての法人会員の獲得も進めていたのですが、あまりうまくいきませんでした。事業の整理ができていなくて「とりあえずやる」スタンスでやっていたのが原因で、サービスとしては良いものの割けるリソースがなかったんです。

松井

石川

エリアは同じでも、駐車場オーナー獲得とユーザー獲得ではターゲットも求められるものも違うのでなかなか難しそうですね。。。でも今も法人会員の話はよく聞かれるのでニーズはあると思います!

当時大阪ドミナントを仕切っていた田中に、話を聞いてみました。

石川:ドミナント戦略ではどのようなことをやられていたのですか?

田中:何が正攻法なのかわからなかったので、「まずはやってみよう」スピード感とアクション量を最重要視してさまざまな施策をしました。まずは大阪環状線内の地図を印刷してそれを片手に現場を練り歩き、月極駐車場を獲得していきました。それが「大阪ドミナント」です。
akippaは営業力は非常に高いので、すぐに大阪の地図はakippa駐車場でいっぱいになりました。その開拓した駐車場をユーザーに使ってもらおうということで、次は駐車場を探していそうな人にチラシを配りながらヒアリングをしました。その結果「駐車場は使いたいけど本当に使いたい場所に駐車場が無かったり満車で使えなかったりする」というニーズが最も大きかったので「駐車場をたくさん獲得することが重要だ」という結論に至りました。「駐車場をたくさん獲得する」ために試行錯誤しながら編み出したのが、今の営業のベースになっている月極以外の法人との提携です。この駐車場獲得手法の確立をもって「大阪ドミナント」は完成したと考え、全国展開が始まりました。

石川:なるほど、akippaの営業力とスピード、そして新たな戦略で今の営業スタイルが生まれたんですね。

営業以外では、登壇したり、2016年11月に提携したセレッソ大阪さんのイベントに出展したりと私自身はエバンジェリストとしての役目をしていました。頼れる中途社員も増え、CSやマーケ、開発も立ち上がっため事業はほぼ現場に任せていましたね。

金谷

石川

それだけ現場を信頼していらっしゃるんですね!

10月には沖縄で記者会見を実施した

ここで事業全体をみていた広田に話を聞いてみました。

石川:広田さんが入社されてから続々と中途社員が増えたようですが、社内にいて変化はありましたか?

広田:2016年末から2017年はじめにかけて、専門性を持ったメンバーが大きく増えたことは大きかったと思います。2016年前半にはマネージャー陣が続々と入ってきていたこともあり、組織と役割が明確化して、より権限委譲が進んでいたように思います。私自身は事業全体を見る立場にいたので、自席だけではなく他のチームの席にも行くようにして社内の距離感を縮められるよう努力していました。もともとCSと開発、営業など部署間の距離感が少し遠いように感じていたので。

石川:なるほど、距離感が遠いとスピード感持って事業を進める上では阻害要因になりがちですよね。

一緒にいられるだけ一緒にいよう

僕個人でいうと、採用が一段落ついてから一瞬だけプロデューサーをやったのですが、東京の営業をしっかりするということで着地しました。

松井

大阪ドミナントの結果、やはりユーザーさんに使ってもらうためには必要な場所に駐車場があることが大事で東京も改めてきちんとやろうということになったんです。時を同じくして組織を担当役員制にして、松井には営業の担当役員をお願いしました。

金谷

東京も大手からの転職者が入ってきて徐々に任せられるメンバーが増えたので、立て直しと引き継ぎ、あとはオフィス移転をしました。

松井

石川

今では安定している東京オフィスも、立ち上がってまだ1年ほどだったとは驚きです。

チームポリシーから握ったからですね。営業メンバーで「一緒にいられるだけ一緒にいよう」をキーワードにコミュニケーション量を増やしました。メンバーの努力が功を奏しましたね。

松井

あとは2017年を振り返る上で避けられないニュースとしては、6月に出版事業の子会社を売却しました。お互いの将来を考えた上での決断でした。今でも2つ隣のビルにいるのでよく会ってますけどね!

金谷

石川

コンビニに行くと会うという話を聞いたことがあります(笑)

PARK UP. anytime anywhere.

事業は現場に任せ私は、10月くらいから裏でクリエイティブチームと共にリブランディングを進めていました。2018年4月末に発表したブランド・プロポジションの再定義と、それに伴うロゴのリニューアルです。
akippaにはこれまで、「“なくてはならぬ”をつくる」という理念はあるものの、「akippa」というブランドに関するガイドラインがありませんでした。そこで、Wab Designさんという外部のデザイン会社さんに協力してもらい、akippaのブランド・プロポジションを設定することにしました。社員インタビューやユーザーへのアンケート、経営方針などを元に自分たちの”あるべき姿”を文字にしました。それが「PARK UP. anytime anywhere.」です。
このブランド・プロポジションを元に作ったのが今年2018年4月に発表した新しいロゴです。駐車場を連想させる長方形のスペースと、出会いの起点を創るakippaを組み合わせたシンプルなロゴにしました。半年くらいかけて考えましたね。

金谷

2018年4月から使い始めた新ロゴ。
「どのようなスペースもakippaになる」ことからロゴも変形する

社内のリソースも限られているためどうしても徐々に進める形になっていて、2018年11月にコーポレートサイトやサービスサイトのリニューアルがようやく終わりました。一部駐車場の設置物などでは旧ロゴのものもあります。

金谷

石川

正式リリースから使っていたCtoCを意識したロゴからの変更なので、考えることや変更しなければならないものがたくさんありそうですよね。

その通りです。さらに、社員が体現すべき姿としてValueを設定しました。これはクレドに変わるもので会社の成長の過程に合わせて変えていくべきものと考えていますが、2017年に設定したのは「Always Beyond」「Win by Team」「For Someone」の3つです。このValueを体現する活動をしたメンバーを、年末の納会でValue賞として表彰しました。今も3ヶ月に一度表彰しています。

金谷

2017年末に実施したakippa納会。
Valueを体現したメンバーにはValue賞が贈られた。

石川

Valueは、会議室の名前にもなっていて日々目にするので自然と意識しますね。
次回、いよいよ最終回となる”2018年”ですが、お願いします!

金谷は、2016年後半からのことをあまり覚えてない、と何度も繰り返しました。現場に委譲し、登壇ばかりしていたから、と。波乱万丈なそれまでに比べ、安定した”会社”になり始めた時期なのかと思います。

つづく。

■連載記事一覧
Vol.1 サッカー漬けの毎日から商売の道へ
Vol.2 社員3名から20名へ。創業2年目で急拡大させた理由
Vol.3 大阪と東京、2拠点での創業初期の組織づくり
Vol.4 テレアポでVCから資金調達 創業4年目でたどり着いた会社経営の考え方
Vol.5 “なくてはならぬ”をつくる
Vol.6 “ITの初心者たち”が作り始めたシェアサービス
Vol.7 “IT企業”への転身
Vol.8 事業の成長、組織の拡大
Vol.9 波乱万丈からの脱却
Vol.10(最終回) akippaのいま 

金谷 元気

代表取締役社長 CEO

1984年、大阪府生まれ。高校卒業後はJリーガーをめざし関西リーグなどでプレー。引退後から2年間は上場企業で営業を経験し、2009年2月に24歳で創業。2011年、株式会社へ組織変更し代表取締役に就任。

松井 建吾

取締役 CZO

1986年生まれ。大手通信キャリアの業務委託企業にて営業を経験し、2010年4月にakippaへ入社。2012年より取締役となり、akippa事業の新規創出や、各事業チーム・HRの立ち上げを歴任。現在はChief ZeroIchi Officerとして新規事業の立ち上げを担う。 事業・チーム・支社など何でも立上げる事を行う「ゼロイチ屋」。趣味は妄想。メタの上のメタを考えて大体いつも頭がぐるぐるになっている。

石川 絢子

広報

慶應義塾大学卒業後、インターネット広告代理店、グリーを経て2018年4月にakippaへ入社。グリー時代は新規事業立ち上げや管理系業務、広報など幅広く担当したが、現在akippaでは広報マネージャーを担当。
趣味は旅行で年間3回海外に行くことを目標にしている。