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【akippaの軌跡】Vol.2 社員3名から20名へ。創業2年目で急拡大させた理由

こんにちは、駐車場予約アプリ「akippa(あきっぱ)」広報の石川です。
この記事を開いていただきありがとうございます!

【akippaの軌跡】と題し、2009年の創業からの波乱万丈な10年間を振り返っているこの企画。何度聞いても濃厚すぎて覚えられない弊社の歴史を、入社約半年の石川が、弊社代表で創業者の金谷と取締役の松井にインタビューを行い、複数回に渡りakippaの軌跡を振り返ります。全10回完結を目指しています
Vol.2では、創業2年目の2010年の話を中心にまとめます。

Vol.1をまだお読みでない方はこちらから
Vol.1 サッカー漬けの毎日から商売の道へ

転機となった松井との再会

石川

前回1回目のお話で、大阪市西区阿波座のオフィスに移転してから松井さんとの再会があり、加速してビジネスが拡大したとのお話でした。金谷さんと松井さんの再会はどんなきっかけだったのでしょう?

もともと金谷のことは小学校の頃から知ってはいて、高校のサッカー部の先輩、コーチとして一緒にプレーしていた時期もありましたが、親友というわけではありませんでした。「天然キャラ」のイメージだった金谷が起業をしたというので、どんな会社なんだろう?と興味で見学に行ったんです。すると、思ったよりかなりしっかりした会社をやっていて。僕も起業に興味があったのでこれは勉強できるかもしれない、と思い入社を決意しました。リスクはありますし、給料も下がりましたが。

松井

石川

当時、社員は金谷さん含め3人のスタートアップですよね。松井さんが当時のギャラクシーエージェンシー(現:akippa)に惹かれた理由は何ですか?

金谷という人間と、チャンスです。金谷に関しては、人間性はもちろんですが、24歳の若さで起業した行動力やスピード感に惹かれました。周囲にそのような人がいる環境ではありませんでしたので。また、自分の営業経験を生かして即戦力になれそうでしたし、会社がまだ出来上がっていない状態なので、自分たちが働きたい会社を一緒に作っていけるのではないか等チャンスの種が多くあるように感じました。

松井

石川

金谷さんは、松井さんが社内見学に来た時、どう思いましたか?

ちょうど自社商品を売りたいので営業を強化したいと思っていたところでした。松井の営業力のすごさも知っていたのでぜひ入社してもらいたいと思いました。

金谷

石川

では、入社後はバリバリの営業だったのですか?

営業はもちろんやりました。法人向けの携帯販売だったので、テレアポをして訪問して獲得する形式です。特に毎月月末の追い込みはエグかったですね(笑)。営業以外では、新規事業の立ち上げはだいたい僕が関わりました。金谷はアイデアをゼロイチで出してスモールスタートするのが得意なのですが、僕はそこから体系化して展開していく、定常業務としてパッケージ化していくところが得意なので、自然と分担していました。

松井

稼げるものは何でも稼ぐスタイルだったので、携帯販売以外にも色々な新規事業をやりました。

金谷

石川

どのようなことをやられたのですか?

当時、2010年はサッカーのワールドカップイヤーだったので、オフィスを居抜きで借りて「BAR Galaxy」を開始しました。自社の求人サイト「アグレワーク」でアルバイトを採用して、自分たちで内装を作っていました。アメブロで作ったページが「スポーツバー 大阪」で検索するとSEOで検索結果上位に表示されていたので集客には困らず、ワールドカップのスポンサー企業からの協賛商品もいただけたのでそれなりに収益を得ることができました。

松井

「BAR Galaxy」盛り上がる店内

週末には大阪府内のショッピングモールで、ウォーターサーバーやインターネット回線を売ったこともありました。平日は法人向けに営業を行い、休日は個人向けに営業、という二軸の営業です。こういった売り方は、出店料が安いわりに比較的契約が取れたので、少しずつ売上が立つようになりました。

金谷

石川

平日も休日も!苦労の積み重ねで売上も積み重ねていったのですね。

そうですね。

金谷

突然の上場宣言

それまでは私が営業部長 兼 管理部長 兼 企画・制作担当のような形だったのですが、松井が入ったことによって営業に関する業務を手放すことができるようになりました。少し余裕ができたので、私はさらに新しい事業を考えるようにしました。 松井が入社して半年が経ったある日、当時の社員3人を、普段行けないスイスホテル(大阪なんばにある高級ホテル)のランチに呼び出し決起会を行いました。そこでは、会社の拡大、主力事業の変更、将来ビジョンの3点についての考えを伝えました。

金谷

石川

具体的には?

1点目、会社の拡大に関しては、社員の採用と移転です。中途で4名増やし現状の倍にすることを話しました。2点目の事業に関しては求人サイトへの一本化を宣言をしました。ずっと「ソフトバンクの商品を売っていたらソフトバンクを超えることは一生できない、世界一になるためには自分たちのサービスを運営していく必要がある」と考えていました。最後に、一つ目の目標として、いつか上場したいと語りました。

金谷

石川

金谷さんの想いをアウトプットされたわけですね。

はい。そこからすぐにアクションしました。まず、採用を加速させるために、雑居ビルから少しきれいなビルに移転しました。その時に移転した先が今本社が入っているAXISビルです(フロアは後に移転)。

金谷



移転初日のAXISビル

当時2010年10月頃ですが、リーマンショック直後で就職氷河期というニュースを知り、新卒採用を決めました。半年後の就職先が決まっておらず就活を続けている学生がいる、そんな頑張っている人たちは、粘り強さがあって頼りになるに違いない、彼らを採用し一緒に会社を伸ばしてもらいたい、と考えたのです。当時社員は7名でしたが、ハローワークに行って6名の採用を決めました。200名の応募の中から厳選した6名です。

金谷

余談ですが、新卒第一号社員は採用してから7年半になりますが、6名中1名しか退職をしていないんです(2名は子会社へ異動後、子会社を売却したため現在は別会社に勤務)。その1名も寿退職なので、当時を振り返ると新卒採用に踏み切ってよかったと思っています。

金谷

石川

松井さんは金谷さんの話を聞いていかがでしたか?

突然の話ではありましたし「上場」という言葉に関してはあまりイメージが湧かなかったですが、視座が上がる目標設定は大歓迎なので「やりましょう!」と即答しました。採用に関しては、僕も一緒に働きたい友人や元同僚に声をかけました。最初はやはりスタートアップへの転職に不安がっていましたが、自分や金谷と話しているうちに入社を決めてくれました。

松井

事業面に関しても、販売する商品の単価を上げたり、営業面の努力をして少しずつ良くなっていきましたね。

金谷

石川

2月の松井さんとの再会から1年弱でここまで変わったんですね。まさに転機の出来事だったのですね。

当時を知らない私から見ても、このメンバーは皆今のakippaに”なくてはならぬ”存在です。金谷・松井へのインタビュー後、当時スタートアップへの入社を決めた社員の一部に、決断の理由を聞いてみました。

今やトップ営業として全国を飛び回る日々!新卒入社の佐藤
実はレゲエのミュージシャンを目指していて就活をしていませんでした。卒業が近づいた頃、大学の先生が何枚かの求人票を持って来てくれて、当時ルームシェアしていた仲間とじゃんけんして求人票をくじ引きするというゲーム感覚で面接先を選んでいたのですが、その時勝って引いたのがギャラクシーエージェンシーの求人票でした(笑)。就職するなら営業職と考えていましたし、面接に行った時に直感で「なんかイケてる!面白そう!」と思い、入社を決めました。

管理部の頼れるお姉さん。新卒入社の大西
事務職に絞って就職活動をしていたのですが、就職氷河期で全く受からず、唯一採用されたのがakippaでした。当時は合同会社で、設立して2年しかたっていなかったので、入社するかどうかは正直悩みました。面接のときに、会社の場所を間違えてだいぶ遅刻したのですが、温かく迎え入れてもらったのが印象的だったので、入社を決意しました。

akippaに”なくてはならぬ”営業担当者。中途入社の佐川
入社前の面談で、金谷さんが「必ず上場させる」「一緒にその景色を見よう」と一点の曇りもない眼差しで話をしてくれたことに、心奪われました。この人、この会社なら絶対いける、と。当時はバリバリの営業ベンチャー!というイメージだったので、自分の営業力を試すいい環境だなと思い入社を決意しました。

驚いたことに、回答に共通していたのが金谷の人間性と会社の雰囲気に魅力を感じた、ということでした。運営するサービスや会社規模は変わりましたが、根底にある文化が変わらないことが、今のakippaを支えているのではないかと感じました。

つづく。

■連載記事一覧
Vol.1 サッカー漬けの毎日から商売の道へ
Vol.2 社員3名から20名へ。創業2年目で急拡大させた理由
Vol.3 大阪と東京、2拠点での創業初期の組織づくり
Vol.4 テレアポでVCから資金調達 創業4年目でたどり着いた会社経営の考え方
Vol.5 “なくてはならぬ”をつくる
Vol.6 “ITの初心者たち”が作り始めたシェアサービス
Vol.7 “IT企業”への転身
Vol.8 事業の成長、組織の拡大
Vol.9 波乱万丈からの脱却
Vol.10(最終回) akippaのいま 

金谷 元気

代表取締役社長 CEO

1984年、大阪府生まれ。高校卒業後はJリーガーをめざし関西リーグなどでプレー。引退後から2年間は上場企業で営業を経験し、2009年2月に24歳で創業。2011年、株式会社へ組織変更し代表取締役に就任。

松井 建吾

取締役 CZO

1986年生まれ。大手通信キャリアの業務委託企業にて営業を経験し、2010年4月にakippaへ入社。2012年より取締役となり、akippa事業の新規創出や、各事業チーム・HRの立ち上げを歴任。現在はChief ZeroIchi Officerとして新規事業の立ち上げを担う。 事業・チーム・支社など何でも立上げる事を行う「ゼロイチ屋」。趣味は妄想。メタの上のメタを考えて大体いつも頭がぐるぐるになっている。

石川 絢子

広報

慶應義塾大学卒業後、インターネット広告代理店、グリーを経て2018年4月にakippaへ入社。グリー時代は新規事業立ち上げや管理系業務、広報など幅広く担当したが、現在akippaでは広報マネージャーを担当。
趣味は旅行で年間3回海外に行くことを目標にしている。